保健看護学科では、2年生になると1年次に学習した知識・技術を活用し、科学的な根拠に基づいた看護実践を習得できるように授業内容が構成されています。
その1つが、「回復促進援助技術論U」という科目です。9月に入ると臨地実習(基礎看護学実習U:3週間)があるため、臨地実習も想定しながら、患者さんの病気の経過と特徴に応じた看護について学びます。
グループで1人の模擬患者の理解を深められるように、アセスメントから看護診断、看護計画立案を個人学習とグループ学習を組み合わせて取り組みます。1グループ学生6〜7人で担当教員が1名指導に入ります。
机上の空論にならないように、「観察演習」「看護実践演習」を行い、実践した看護評価も学びます。
★カルテからの情報だけで患者さんは理解できません。場面を想定し、実際に関わる中で「観察力」をつけ、必要な看護が計画をもとに実践できるように頑張りました。でも…
模擬患者は指導教員!
看護学生役は1〜2人、他のメンバーは場面を客観的に観察します。
大腿骨骨折の患者役の教員:「ちょっと、ちょっと。足が痛いんだけど! 血圧は今じゃないとだめなの?」
看護学生役:「…そうですか…。」
心の声〜まじで!どうすればいいの?
看護学生役:「Bさんのために手洗いの方法のリーフレット作りました。今日はこれで、説明しますね。」
肝硬変の患者役の教員:「へぇ〜。これでいいのかしら?」「学生さんが、いない時はどうしたらええん?」
心の声〜やばい!実習以外のことは考えてなかった…
看護学生役:「Eさん、右足で左足をすくって、ベッドの端に座りましょう。」
脳梗塞の後遺症で、麻痺がある患者役の教員:「自分の力で起き上がって、車いすまでいくのね。いけるかしら…。ウーン、難しいわ〜」
心の声〜うわ〜どうしよう… Eさん困ってる…
看護学生役:「Fさん、腎臓の負担を軽くするためにも、むくみ(浮腫)のためにも、塩分をとりすぎないように、パンプレットを作ったので、見てください。」
慢性腎臓病で全身の浮腫がある患者役の教員:「知ってることもあるけど、参考になるわぁ。でも薄味が苦手で、ついつい醤油をかけちゃうのよねぇ。」
心の声〜味の好みまで考えてなかったぁ〜…
看護学生役:「Dさん、心臓のために今はベッド上で過ごしましょう。歯みがきがしたい場合は、これが使えますよ。」
心不全で酸素療法中の患者役の教員:「食後の歯みがきをしに洗面台まで行ったら、息がきれたんよ。これに、口をゆすいだ後、吐き出していいんだね。これなら、しんどくならなくてすむよ!」
心の声〜よかった。わかってくれた。喜んでくれてる❤
心不全で治療後、回復中の患者役の教員:「動いてもよくなって、安心したけど、まだ足のむくみがあって、だるさがぬけないなぁ…」
看護学生役:「そうですか。足をみせてください。ちょっと、指でおさせてくださいね。」
心の声〜浮腫(むくみ)の程度を観察しなきゃ。だるさはどのくらいなのか、どうやって確認したらいいんだろう…
★演習が終了したら、グループ毎に実践の看護評価をしたり、看護学生役、観察者、教員で気づいたことや場面の分析をしたりして、学びを共有しました。
★グループ毎の学びの共有だけでなく、「看護計画の発表」「看護評価の発表」をクラスで行いました。
資料作成、発表会の準備・進行も学生主体で行い、質疑応答も活発で学びの達成感や新たな気づきを得ていました。
★学んだことを活かして、9月からの臨地実習(基礎看護学実習U)を頑張ってきました!!
保健看護学科
回復促進援助技術論U担当:守谷智江