老年看護学実習Tを通して、学生たちは実習を通して多くを学び、2年生最後の臨床実習を終えました。患者様やご家族、看護師・理学療法士・作業療法士の方々からたくさんの目に見えないこころの宝物をいただきました。3年生の成人看護学実習は5月初旬からスタートを切ります。今回の実習を土台にさらに成長して欲しいと思います。
今回は、玉野市民病院6階病棟(回復期リハビリ病棟)で実習を行った学生の書いた毎日の記録の一部を抜粋して紹介します。写真は、レクリエーションで大勢の患者様と一緒に作成した三井造船をテーマにしたちぎり絵です。
(保健看護学科 石田実知子)
今日は、いつものように転倒予防として環境整備を行いました。毎日行っていますが、本当にこのことが患者様の転倒予防に繋がっているのか心配していました。しかし、患者様から「中川さんがこうやって掃除とか細かいことをしてくださるから自分が立ってしなくてよくなった。これでふらふらしながら立ったり、申し訳ないと思いながら人にお願いしなくて良かったよ」と言われました。看護師が患者様の危険リスクを取り除いて安心して過ごせる環境を作ることの大切さを改めて考えました。患者様の苦痛を取り除くだけではなく、危険から守ったり、健康増進に導く看護師の職業の素晴らしさ、やりがいを感じ、これまで以上にしっかり学び、役に立つ看護師になりたいと強く思いました。
(中川梨沙子)
私の実習期間は残り2日しかない。その短い時間の中で私が患者様にできることは、自分の思いを対象者に押し付けるのではなく、患者様の発する言葉や表情をありのままに受容することだと思う。カンファレンス室での教員のアドバイスを受け、そう感じた。
今日行うことのできなかった手浴を明日は行ない、患者様のリラックスできる状態をケアを通して作り、相手の尊厳を大切にしながら患者様の心に残る歌に関するエピソードやその当時どのように生活してきたのかなどお話していこうと思う。そしてありのままの患者様を理解していくようにしていきたい。その関わりによって自分もまた成長していきたいと思う。
(近藤優子)
学生主体のレクリエーション活動の一環として行ったちぎり絵が完成した。最初は決まったメンバーしかいなかったり、あまり意欲的でない人もいたが、最終的には多くの患者さんと協力しながら作品をつくりあげることができた。完成した時、参加者の1人が「最初はこんなもんどうなるかと思ったけど、やり出すと楽しい。わりと頭使うもんな」と言われた。こちらのレクリエーションの意図が伝わってとても嬉しく思った。今回の経験を基に次回レクリエーションを行う際には、さらにステップアップさせ参加者の1人ひとりのできること、できないこと、どう介助すれば何ができるのかを把握し、学生の役割分担を決めたり、意欲的でない人との関わり方などをしっかり考えて、より良いレクリエーションにしていきたい。船は「りきまる」と名付けたが、6階病棟の皆さんの「力」を後押しして、望む港に送る手助けになるものがいいなと願う。
(神垣薫子)